論 考

目標・戦略に適っているか!

 5月24日、トランプ氏からの金正恩氏宛て書簡が公表され、6月12日、シンガポールでの米朝会談中止を通告した。

 同日11時から16時にかけて、北朝鮮は豊渓里核実験場の坑道・観測所などを爆破・廃棄した。アメリカが北朝鮮ペースの会談を嫌ったのも間違いない。

 米朝首脳が会えばすべてが解決するというような問題ではない。水面下でいかなる交渉が展開されているのかはわからない。少なくともトランプ氏ら首脳陣から見て、目下の「仕上がり」状態が満足できないものなのであろう。

 アメリカ人の多数が朝鮮半島問題を切実に考えているとも考えにくい。元々の対北強硬派の巻き返しもあろう。

 とはいえ、また全てを以前の混沌に戻すという選択肢はない。目下も、また、新たな混沌というわけだ。

 朝鮮半島の戦闘状態を終わらせるという確固たる目標を関係国が共有できるかどうかが最大の交渉基盤だ。

 そして、大きな事業を達成する度量がトランプ・金正恩両氏を頭目とする両国首脳陣に確立しているか。