塀のない刑務所から脱走した27歳青年。職場では一丁前になる辺りだ。
昔、わたしがいた工場は乗り越えられなくはないが塀に取り囲まれていた。1万人が働く工場で、島根県の田舎から出てきた18歳のわたしには巨大すぎて、ある時、ふと考えた。
もしも転勤もなくこの工場で定年まで働くとすれば、40年以上、毎日塀の中へ来て、出て、また翌日、塀の中へ来る。
「刑務所へ通勤みたいや」と、現場の友人と会話して笑ったなあ。
27歳青年は「人間関係が嫌になった」ので遁走したと語ったそうだ。
そういえば、あちらこちらで聞く皆さまの最大の関心も人間関係にある。