論 考

思い込みと過信

 トランプ・金正恩会談が実現する動きが出て、政府は大慌てであろう。

 昔からわがほう独特の未来物語を作って、いつの間にかそれが全面的事実のように信じ込んでしまう悪しき性癖がある。

 いわゆる自己中心主義で視界が曇るから、他者の動きを的確に掌握できない。

 たとえばトランプ「ごますり」路線を走って、ヨイショに対するお返しのヨイショをされると、すべて盤石、日米同盟一枚岩だと過信してしまう。

 相対的に米韓関係が疎遠だと勝手に解釈して、文氏が何をやろうとアメリカは不動であると思い込む。

 ところがどっこい、生きた外交というものはそんな固定的な筋書きで押し込めるほど安直ではない。――ということがわかったであろうか!

 政府発表をほとんど鵜呑みしてそのまま垂れ流していた新聞各社も大慌てだ。日本政府が「圧力政策にこだわり過ぎた」というような、中間総括(?)が登場しているが、その政府発表(戦争中は大本営発表でしたね)をきちんと分析・検討せずにやってきた新聞各社もまた一蓮托生である。

 新聞を読んで、考える癖をつけないといけませんねえ。