論 考

さあ、どうする!

 南北首脳会談の合意はともかくとして、北朝鮮の「体制が保証されるならば核兵器を放棄する」というのは大きく踏み込んだ見解表明である。

 もちろん、もともと体制保証のためにアメリカとの関係構築を求めて核兵器開発に励んだのだから、原則的立場の表明であることも事実だが、トートロジーだとして切って捨てられるものではない。

 なんとなれば北朝鮮が「変化」を求めているからである。

 韓国政府が、北朝鮮への特使派遣で、ここまでの言質が出されると読んでいたであろうか。そうであったならば、たいしたものだ。

 かのトランプ氏が「非常に前向き」とコメントしたのも、事前の読みの範囲内にあったということであろうか。

 そこで、わが政府やメディアの読みはいかがであったのか?

 本日日経社説は「どこまで本気なのか」と書いたが、まったく読めていなかったのだと思われる。

 本気か、本気でないかは本人と神のみぞ知る。このような状況において、いかなる有効打を放つか。それが外交というものだと思いますがねえ。