論 考

睡眠を返してくれ

 7泊8日の旅の7泊目、くたびれてもおり翌朝のことを考えて早々就寝。ベッドに入ろうとして時計を見たら19時19分だった。

 熟睡中、突然ワオーというようなサイレンと、「ただいま7階で火災警報が鳴りましたが、調べましたところ異常ございません。ご迷惑おかけしてまことに申し訳ございません」と部屋の天井から大音声が響いてきて、一発で目が覚めた。時刻は21時21分。

 あまり立派なホテルではないと思っていたから、急きょ! 心配になり、避難コースを確認。わたしの部屋は12階だ。

 いざというときに、荷物を持って逃げるなんてのはヤバいが、そうはいっても、大切なお仕事の記録だけは手放したくない。

 とかなんとか考えていると眠られない。眠られなくても寝るのだとばかり、ベッドで目を閉じたまま頑張ったがやはり無理であった。

 以前、ホテル取材の際、ホテルパーソンが「安心・安全・快適」を盛んに口にされたが、おっしゃる通りでありますねえ。

 実際、なにもなくてもわたしの睡眠はどこかへ奪われてしまった。

 そういえば少し前、警報を鳴らして座布団被らせる騒動もあったなあ。