論 考

どいつも、こいつも

 トランプ氏らは対北朝鮮「bloody nose」(鼻血作戦)なるものを検討しているらしい。いわく、北朝鮮が最後の暴発をしない程度の、精密にして制限的な打撃を与えるという。

 酒場でカウボーイがぶん殴って、相手が鼻血を出すという気分か。しかし、どこまでも自分中心の筋書きを立てている。暴発をしない程度など規定できるわけがない。

 鼻血を出したほうが、そのまま沈黙するわけはないのであって、韓国に向かって報復する可能性だってある。

 これについては、「(韓国ならば)アメリカ本土で人命被害がでるよりマシ! であるから、鼻血作戦はリスクを取る価値がある」というような見識らしい。

 おりから米国防省は「核戦略報告・核態勢の見直し(Nuclear Posture Review)」を発表した。核兵器群を革新し、戦術核兵器を開発するという。

 力を信奉する限り、永久に軍拡を続けなければならない。軍拡競争の向かう先は軍事衝突の可能性が大きくなるだけだ。

 外相の河野氏は、「米国による抑止力の実効性確保と同盟国に対する拡大抑止へのコミットメントを明確にした。高く評価する」と、まことに能天気なコメントを発した。

 もう少し、知性的・理性的に考えられないのか!