論 考

骨牌的外交の危惧

 1月30日、トランプ氏の一般教書演説で、わたしが気になったのは、北朝鮮を極悪と主張したことだ。

 韓国駐在米国大使がトランプ政権になってから決まっていない。ブッシュ政権で6か国協議次席代表を務めたビクター・チャ氏に内定していたが、このほど白紙になった。

 国家安全保障会議(NSC)の対北朝鮮限定攻撃案なるものがあって、チャ氏はそれに反対。また対韓国FTAの再交渉にも否定的らしく、つまりは政権と意見を異にしているというわけだ。

 北朝鮮極悪の主張と、駐韓大使白紙を重ねて考えると、従来から危惧されているアメリカの対北朝鮮先制攻撃問題がまたぞろ浮上する。

 ブッシュ氏が「悪の枢軸国」を主張して、イラク攻撃を開始したのも忘れられない。

 集団的自衛権行使容認を強引に押し切った政府は、いったい、どんな情勢分析をしているのか。またまた心配になる。