わたしが20代だった50年前は、いまよりもうんと貧しかったが——
a 少なくとも過労死を問題にするような残業の考え方はなかった。
b 労働時間については1日8時間・週40時間を基本として考えた。
c いまの非正規者に相当するような立場の労働者が、収入が少なすぎるから残業せざるを得ない。なんとか賃金を上げてもらいたいという声が強かった。
しかし、少なくとも、賃上げよりも残業による収入に期待するような考え方は聞こえなかった。
ということだから、いまの組合(員)が労働時間を考えるには、1日8時間・週40時間にきちんと立脚して、そこから賃金を考えるようにするべきだ。
理屈で収入が増えるものではないけれども、理屈を構築しなければ絶対に運動が起こせない。運動が起こせないということは、結局、なにも改善できないのである。