論 考

ほとほとおおいに

 トランプ政権が発足して1年が過ぎた。

 かくも支離滅裂な差別主義者が、権力の座に就くと歴史的には世界のデモクラシーを支えてきたアメリカを、いや、世界中を不安・混沌・混迷・混乱のルツボに貶めたというアフォリズムの見本である。

 そんな手合いにゴマを擦っている日本政府への失望も膨れ上がる。ということを明確に書かないわがメディアに、わたしはおおいに失望する。

 読売社説(1/20)は――「力を通じた平和」をスローガンに、国防予算を増強する方針を明確に示し、米軍増強に乗り出したことは評価できる――と書いた。読売の論調は、なんでもありの懐の深さ(?)で、ほとほとおおいに失望させてくれる。

 専守防衛論と「力による平和」とは、本来、まったく異なると思うが、このようにお追従する大新聞が出るのも、悪しきトランプ効果である。