論 考

南北朝鮮会談

 本日、南北朝鮮の高官級会談が開催される。どうやら、北朝鮮の五輪参加は実現するようだが、朝鮮半島問題の今後にどこまで貢献できるか。

 話し合いの突破口を作ったことで文在寅大統領の支持率は71.6%へ上昇した。韓国のみなさんが対話路線を指示していることは間違いない。

 韓国東亜日報社説(1/6)は、2015年12月以来の高官級会談が平和の踏み石だとして評価しつつ、対話を核問題の解決に向かうように政府には責任があると主張した。もちろん、それはその通りである。

 ただし、北朝鮮に対する核・ミサイル開発の停止を高唱することはできでも、核保有国が自国のそれは正義であって、北朝鮮のそれが悪だと決め付ける論理的正当性は成り立たない。

 日韓は自国では核を保有しないがアメリカとの同盟関係からすると、これまた右に同じだ。

 少なくとも、日韓が確実に平和主義であり、対話路線を貫くという信頼感が北朝鮮に芽生えない限り、会談の本質的進展はありえない。

 昔、勝海舟(1823~1899)は刀の鯉口を緊縛して絶対に抜かないという心意気を貫いた。文在寅大統領はトランプ氏や安倍氏とは違うから、いかなる采配を振るのか。少なくともアメリカと日本が文在寅大統領の足を引っ張らないことが当面極めて大事だと、わたしは思う。