論 考

苦しいときの神頼み

 アメリカの税制改革案が議会を通過した。10年間で1.5兆ドル(170兆円)という大盤振る舞いではあるが、富裕者・大企業優遇の批判が起こっている。

 そもそもトリクルダウンなんてものは起こらないし、経済思想としてご都合主義だ。レーガン時代に財政支出増加で、財政赤字と貿易赤字の双子の赤字が大騒動だった。

 トランプ氏はレーガン氏を信奉しているらしいが、具合のよろしくないことまで真似るのだから、なるほど信奉者である。

 20日閣議で、トランプ氏がまくしたてた後、ベン・カーソン住宅都市開発長官が、天にまします神に向かって感謝の言葉を捧げたそうだ。

 いわく――より良き未来を後代にもたらすべく、論争という風に進んで立ち向かう勇敢な大統領と閣僚を(神が与えてくださったことに)感謝します。

 来年11月の中間選挙予測では、民主党が上下院を制するとの予測だ。税制改革法案の支持率は29%、52%が反対している。