論 考

トランプ氏はデモクラシーの敵だ

 デモクラシーの基本中の基本は「平等」である。

 人類は、理屈では割り切れない王権神授説を打破し、生を享けた人間に上下がないことを理性的に認識し合った。誰もが平等の考えを共有するからこそ、社会的紐帯=約束=社会契約が構築された。

 明治の日本人は福沢諭吉の「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」に驚愕したが、相変わらず「君に忠、親に孝、夫に貞」という気風で、要するに社会を差別意識が依然として支配していた。

 なにかの間違いでアメリカ大統領に就任したトランプ氏は、日本の社会的歴史に照らしても、徳川幕政末期辺りの差別意識を振り回している。

 これでは、アメリカだけではなく、世界秩序が破壊されても不思議ではない。

 今度はエルサレムをイスラエルの首都と認めるという。EUもトルコも、盟友のサウジアラビヤも反対だ。

 中東情勢をまたまた紛争のルツボにする危惧が大きい。

 トランプ氏のアメリカ第一とは、無知蒙昧の子どものお山の大将を想像させる。真実と嘘(彼にすれば自分の願望?)がごちゃごちゃだ。

 トランプ氏が、いま、本当に世界に貢献するためには、少しでも早く降板することである。ぜひ、お願いしたい。