筆者 奥井禮喜(おくい・れいき)
トランプが歴代大統領と違ったのは、ベネズエラ侵攻的介入の記者会見が、ホワイトハウスではなく、マール・ア・ラーゴであること。強欲アメリカのさらに上前をはねる本音が見えるくらいで、ラテンアメリカへのCIAの跳梁、軍事介入は毎度のことである。
外国の政権への介入は、アメリカの習い性だが、その結果が成功したことはない。まあ、太平 洋戦争後の日本を除けば。とにかく、悪習ほど改めにくい。
ベトナム戦争で惨憺たる敗北を喫して、アメリカは後悔もし、反省したはずであった。しかし、後悔は続かない。反省などモンキーと同じだ。政府は、じわじわとベトナム戦争が正義の戦争であったように歴史を修正してきた。
クリントンはハイチに軍を派遣して抑え込んだはずであったが、いまのハイチで主導権を握っている? のはギャングだ。かりに、独裁者を拉致したとしても、国民が容易に従わない。
ベネズエラの場合、チャベス、マドゥロと続いた政権のもとで甘い汁を吸ってきたのは、ギャングばかりではない。民間人もしかりだ。この連中が、「悪うございました」とでも言うと思っているのであれば大間違いだ。
トランプは、チャベス一族のロドリゲスに下駄を預けるという。そんなことで政治が安定するわけはない。武装集団もいる。ベネズエラがハイチの後を追うだろうことは誰にでもわかる。
トランプの関心は、絶対、民主主義にはない。資源である。ウクライナからも資源を取ろうとする。トランプの頭に「儲け」以外の考えはない。
トランプは、マドゥロが大統領になった麻薬王だとこき下ろした。なかなかよくわかっている。トランプは、大統領になった悪徳不動産王という言い方がふさわしい。かつて、カポネは闇の世界の帝王として一世風靡した。彼は国家権力を握らなかった。悪徳不動産王は国家権力を握ったギャングに見える。
ギャングの思想は力がすべてだ。ギャングは計算高いから、力のあるギャングには手を出さない。華々しい成果を上げられる相手を狙う。親分同士はにこやかに握手するという調子である。
トランプのやることは無法だ。しかし、無法だと批判されても平気である。なにしろ本人が無法だということを百も承知でやっている。救いようがない。
こんな手合いと日米同盟をまるで憲法の上にあるみたいに考える連中はヤクザの鉄砲玉でしかない。威勢のいいとされる高市氏から、堂々たるベネズエラ侵略的介入の批判が聞きたいものだ。
