筆者 奥井禮喜(おくい・れいき)
自民党総裁選始まる。
各候補は満を持しての登場だろうが、聴衆を引き付けて魅了するように、やがて盛り上がるかどうか。
率直な印象は、「在庫一掃」、ただし「目玉なし」。
下馬評は、小泉・高市人気先行、後を追う一木二林(茂木・小林・林)の構図だが、いずれにしてもパンチ力が弱い。
解党的だ、党の危機だと騒動するにしては、切迫感がない。どうせゼロサムの争い、各々ぶっちぎりの気合が足りない。大破し、沈没寸前の船をいかに浮上させるかの危機感が見えてこない。
冷静なのは上等だが、冷めているだけでは吸引力がない。
昔は、表は君子の闘いだったが、水面下でくんずほぐれつの大乱闘が繰り広げられた。まあ、よくもわるくも、それが自民党のパワーであった。
ある時期、劇場政治といわれた。今は、その演出力・演技力もないようだ。
最近は、カタログショッピングよろしく、有権者が政党の政策を眺めているからだろう。他の店で売れているとみるや、同じ商品を並べようとする。
ところで、政界全体は動かざる山のごとし。自民党の態勢立て直しができるのを待つという紳士的態度なのだろうが、自民党だけではなく、政治全体が唾棄されつつあるとの認識がないらしい。
自民党以外に、いろいろさまざまの政党が存在するのだから、先が見えない少数与党の動向をのほほんと眺めるのではなく、わが党の志・見識をおおいに宣伝するべきだ。
もちろん、自民党総裁選が目下の最大イベントであることは事実である。今後の見どころは、誰が「化ける」か。
いまのところ、化けてはいるが素性を隠して別人のさまを装うような化け方だ。
わたしが期待する「化ける」とは、いままであまり目立たなかった人士が、予期しないほどに変化することだ。化ける役者がいれば、芝居は大当たりする。自民党村芝居はどうなるか?
