論 考

トランプはネタニヤフのパペット

筆者 奥井禮喜(おくい・れいき)

 G7カナナキス・サミットで、きちんとイスラエルの無謀なガザ攻撃を批判しなかったツケが早々現実化してしまった。ダメなことはダメと明確にブレーキをかけておくべきだった。

 トランプは自分ではケジメがつかない人間である。なによりもネタニヤフのパペットである。G7で、妙に大人の対応(?)をしたのが悔やまれる。

 ネタニヤフには、ガザでの無謀行動に対するジェノサイドだという批判が相当こたえている。トランプとは違ってインテリジェンスが高い。

 だから、ネタニヤフの作戦は、攻撃対象を代えて、なおかつ戦争を継続することである。イランにぶつければ、核開発に取り組んでいるから、批判が強くて具合がよい。しかも、パペットのトランプが手玉に取られてネタニヤフの戦争を引き受けてしまった。

 これほど見事に乗せられたケースはざらにはない。

 少し考えれば、核兵器開発がけしからんとしても、保有国がえらそうに文句をいえる義理ではない。まして、爆撃する権利などありえない。保有国こそ、他国を脅かしている。

 これでは、まったくヤクザの理屈だ。

 平和と民主主義を標榜する国々は、性根を入れよ。筋の通った抗議をせよ。トランプやネタニヤフのごとき不埒な連中に国際平和を語る資格はない