筆者 奥井禮喜(おくい・れいき)
失言にもいろいろあるが、農水相をお払い箱になった江藤のスピーチは、論旨がまるでなっていない。むしろ、総すかん食らった部分は、いちおう意味が分かる。いったい何が言いたかったのか?
石破は、いったんは農水相継続で収めようとしたが、世間の声ばかりか、党内からもブーイングが起こって、改めて更迭した。
後継に任命したのが小泉進次郎である。
石破は、小泉に、5キロ価格3000円台へ米価を下げる数値を示し、入札も随意入札の支持を出した。いままでの対策とはまったく違う。
もし、江藤が続投していたら、この指示を出さなかったのだろうか。呼びつけて発言を厳重注意しておきながら、江藤の口から、指示の話は出ていない。つまり、小泉を指名することによって、はじめて指示を出したことになる。
江藤が生産者寄りで、本気で米価値下げに取り組んでいなかったのだろうか。にもかかわらず石破は、失言の注意をしながらも指示を出さなかった。
つまり、そのくらい米価族(農水省も含めて)の米価引き下げに反対する勢力が強かった。たまたまの失言であるが、世間や党内の風当りが表面化したので、一挙に消費者側に立つように転換した。
このように読めば、江藤の支離滅裂スピーチは、米価引き下げをさせないように頑張っているんだという生産者へのメッセージだったことになる。
だとすれば、石破の指導力が弱いという批判はあるものの、生産者側の風当りを上手に避けつつ、米価下げ対策を進めたのである。
しかし、この推測が当たっているとすれば、農水族や生産者の反発が高まる可能性が否定できないともいえる。
