論 考

心得違いじゃないか

筆者 奥井禮喜(おくい・れいき)

 政局不安定が与党のサボタージュを抑え、国会審議の充実化につながるというのが、わたしの期待である。ただし、それは野党がしかるべく敢闘するという前提の筋書だ。

 目下は、与党の低姿勢が目立って効果が出ている面もあるが、こちらは予算を通すためにひたすら平身低頭しているわけで、国会審議の充実についてはまだ効果が出ていない。

 その問題の背景は、少数与党化の意義を、野党が正しく理解しているのかどうかにある。

 国民民主が、たまたま選挙作戦があたって躍進した。これは選挙そのものの作戦に関することで、国民民主党が政党として脚光を浴びたのではない。これを勘違いすると落とし穴にはまる。

 「手取りを増やす」というのは、わかりやすいが、物価がどんどん上がっていて、1月は生鮮食料品を含み4%上昇というけれど、スーパーで買い物すると、とてもその程度ではない、コメは倍、およそ2割値上がりの感じだ。

 少し油断していたら、先月の食費は計画値を大幅に上回ってしまった。今月は気分を引き締めているが、なかなか思うようにはいかない。

 円安・人件費・天候不順が物価高の大原因ではあるが、安倍時代の長年にわたる放漫運営のツケがこっぴどく出ているのは疑いがない。円安が、その最たるものだ。しかも、ただいまの国会を見ても、与野党いずれもこの事態に本気の議論を起こしていない。

 自民党が、国民民主と維新を懐柔する作戦は成功した。国民も、維新も、それなりに自負しているのだろうが、やっていることは談合政治そのものだ。挙句は、国民と維新が角突き合わすというポンチ絵である。

 借金だらけの上に、さらに借金を重ねる。お話にならない。自民のバラマキ体質が拡大したのだから、政治は少しもよくならない。赤信号みんなで渡れば怖くないのか!

 米価問題をみていると、農政が完全に行き詰った感だ。コメ価格を統御できれば農政OKでやってきたが、肝心かなめのコメ価格すら統御不能状態。狭い国土で、耕さない田畑だらけ。そして過疎。「農死」=過疎である。

 トランプは狂乱だ。アメリカべったり外交をやれば安心でやってきたが、さて、ここで路線をなんとかしたいと思っても動きが取れない。防衛費の大膨張で形をつけるような時代はおしまいだ。しかし、国会でそのような声が聞こえない。

 戦後政治の大決算などと修飾語は不要である。目下の日本は、これからどうするのか。性根の入った舵取りを求められている。方々、わかっているのか!