筆者 曽野緋暮子(そのひぐらし)
ネットオタクのM氏が衆議院選挙の前に、「メディアの情報を鵜呑みにしないこと。米大統領選もしかり。」「ネットは見つけ難い情報が貴重です。」とLINEしてきた。M氏は常々、「テレビや新聞の情報は当てにならない。新聞もテレビのニュースも嘘ばっかりだから見ない。」「ネット発信の情報が正しい。」と公言する。
Facebook、X、Instagramをやっていない私は時代について行けてないと思われているらしく時々、LINEで新しいネット情報を送ってくれる。私は一般メディアと同じく情報のひとつとして受け取っているが、彼のように新聞、テレビの情報が全面的に間違っていてシャットアウトしようとは思わない。
今のマスコミ報道はしっかり確認している? じっくり考えたって? 思わせるような記事も多い。しかし、ネット情報も然りだと思う。私は自分なりに情報を集めてじっくり考え、時々友人達と意見交換しながら情報の正当性を引き出していこうと思っている。
数日前、近所のスーパーで久々に会った友人とお喋りした。驚くことに彼女はネットオタクのM氏とLINEでつながっていて、しかもM氏をかなりリスペクトしている話しぶりだった。「Mさんはなんでもよく知っていていろんな情報を教えてくれる。ネットでしか手に入らない情報もあるのよ。」そして、「私、マイナ保険証の紐づけを解除したのよ。」って言った時には驚いた。
日々淡々と暮らしている平凡な主婦を絵にかいたような友人だ。「えっ、何それ!」と思わず聞き返した。「マイナ保険証の紐づけしていると個人情報がダダ漏れになると言うネット情報をMさんからもらい、Mさんが詳しく説明してくれたからね。」
彼女は息子の扶養になっているので息子の会社の健康保険組合に所属していることになる。その健康保険組合に連絡を取ったそうだ。息子夫妻からは「お母さん、本気なの?」。健康保険組合の担当者からは「うちの健康保険組合で初めてケースです。」と言われたそうだ。でも、実行したそうだ。
私は、マイナンバーカードを作った時、一連の作業として健康保険証の紐づけはしたが、マイナ保険証の一連のトラブルを聴き、従来の健康保険証カードを使い続けている。12月2日から新規に健康保険証は発行されないそうだが、現行の物が当面使えるようなのでダメになるまで使い続けようと思っている。
マイナ保険証の紐づけで個人情報がダダ漏れということに関しては、ちょっと違和感がある。確かに紐づけしたマイナ保険証から個人情報が漏れる可能性は大きい。しかし、パソコンを始めた時点で、携帯電話、スマホを持った時点で個人情報が洩れていることは意識しているはずではないか。迷惑メールが何通も届く、迷惑電話がかかる等個人情報が漏れているとしか思えない。さらに、LINEを始めた時点で個人情報ダダ漏れは覚悟すべきでだと思う。
ネットにもLINEの危険性は度々掲載されている。私も、LINEにはなかなか手が出なかったが、自治体が情報発信にLINEを使うようになったので「これは腹を括るしかない。」と情報漏れを前提としてスマホを使うことにした。
肝心なのは様々なトラブルの対処方法だと思う。いまのところ大きなトラブルに遭っていないが、知らない所でトラブルに遭っているかもわからない。神経質になり過ぎても今はスマホなしでは暮らせない仕組みができつつある。とにかく腹を括ろう!
昨日、後輩からマイナ保険証の紐づけを解除したいと相談を受けた。先日の友人の話を事例として回答した。マイナ保険証実施で当分ゴタゴタしそうだなあ。