論 考

合理的な投票行動

筆者 司 高志(つかさ・たかし)

 ヤーキーズ・ドットソンの法則をご存じだろうか? ウィキペデアから少々引用しながら考えてみたい。

 ヤーキーズ・ドットソンの法則とは、ソーンダイクやポストマンの実験により、学習作業等を行う際、罰を与えられたグループの方が、罰を与えなかったグループよりも作業効率が高いということが明らかにされた、とのことである。罰を受けたくないので頑張るという、普通に想定できる真理である。

 そして、次のように続く。ネズミを用いた実験で、「動機づけには、罰やストレスなどの不快なものが一定量あったほうが、効率が上昇する」という法則が判明した。

 もっとも、動機づけの強さ(覚醒レベル、緊張感の度合い)が最適水準の一定量を超えると、逆に学習効果が低下する傾向がある。これは、よく言われるように、オリンピックなどの大一番で、プレッシャー量が限界を超えて大きくなると、最高のパフォーマンスができなくなるという現象からも理解できる。

 これは、ネズミの学習効果なのだが、自民党がまともに政治をするという学習効果に置き換えて考えてみよう。

 今までは、大した逆風もなく、裏金、T教会なんのその、と勝ち続けてきた。これは、罰のない状態に相当する。罰がないので、庶民を大切にするという学習効果が全く発揮されなかったわけである。

 一番まともそうだからという理由で自民党に入れているとするなら、罰なし状態となり、全然学習しない。そこで、よりよい政治をさせるには、ヤーキーズ・ドットソンの法則を利用して罰を与えるべし、である。

 このように考えれば、自民党に入れないことのへの認知的不協和が減るのではないだろうか。ちなみに認知的不協和とは、矛盾する認知や行動を抱えている状態、またはその際に感じる不快感やストレスを指す心理学用語である。

 自民に入れないのは、一番まともな政党に入れないのではなく、ヤーキーズ・ドットソンの法則に従って、学習効果を促すために罰を与えるという合理的選択である。学習が最適化するように緊張感を与えるわけだ。

 今回の投票は、ヤーキーズ・ドットソンの法則を応用するべきである。