筆者 曽野緋暮子(そのひぐらし)
新聞に店頭から米が消えている問題が大きく取り上げられている。政府の備蓄米を出すべき。1カ月もすれば新米が出てくる、今のタイミングで備蓄米を出すと米の価格に混乱が起きる等々。
お盆の最中8月12日、九州の友人からスーパーの棚から米と水がなくなったとLINEが届いた。宮崎県の地震に続き南海トラフ地震臨時情報が出たことが原因のようだ。
「米と水ならすぐ送るよ。」と返信して近所のスーパーに出かけた。なんと! 米の棚がスッカラカンだ。水の棚に行くと高額の水は残っていたが、普通の価格の2リットルボトルの水が全くない。500ミリリットルボトル水バラ売りが残っていたので10本購入。スーパーとドラッグストアをあちこち回り2リットル6本ケース最後の1箱を購入。米も5キロ袋が3袋残っていたので2袋購入した。ひとまず宅急便で発送した。
LINE仲間に米、水がスッカラカンの棚の写真を添付で送る。お盆でまったり過ごしてしているはずの友人達は一様に「えっ、何が起こったの?」という反応だった。
2019年の冬、関西の友人から、マスクがないので送ってほしいと言われて市内のドラッグストア、薬局を回った。マスクが全くなく、入荷見込みがないと言われ、送れなかったことを思い出した。そう、長く続いたコロナ禍の最初だったなあ。
数日後、LINEを送った友人達から様々な反応が出てきた。「我が家は関係ないわ。」と返信してきた大阪の友人はスーパーに行き、米がないことに驚き、スーパーを数軒回って、パックご飯を念のため20パック購入したそうだ。「米は買い占めても仕方ないのにね。」なんて悠長に言っていた友人も割高だが、2キロ入りの米を購入したそうだ。
翌日一瞬、棚に米があったが、その後、棚は空っぽのままでお詫びの貼り紙が出たままだ。水は「1家族1ケースでお願いします。」という貼紙が付いて、なんとか棚に戻ってきた。
友達の1人は、「米は自分の田んぼにあるし、湧水がいくらでもある。騒ぐことはない。」と言う。確かに、生産者は強い。我が家も20年以上前から地元の友人が作る米を玄米で1年分を買っているので大丈夫だと思っている。
そういえば1993年に「平成の米騒動」があった。国産米がなくて外米が流通した。会社の給食のご飯がタイ米になり、米農家の社員が「不味くて食べられん。」と言ってお弁当を持って来ていた。飲食店のご飯も外米だったような~。我が家はその時も米を作っている友人から分けてもらって凌いだ。
1973年のオイルショックによるトイレットペーパー騒動を思い出した人もいた。「あの時、生理用品がなくて走り回った。」そうだ。記憶が薄れているが、大騒ぎだったなあ。
今の米騒動がいつまで続くのかわからないが、酷暑、台風等で稲作被害も大きそうだ。値上げは受け入れるから、新米よ、早く出てきてほしい!!!