筆者 曽野緋暮子(そのひぐらし)
酷暑が続く。3000m超えなら涼しいかもと、昨秋紅葉登山を目論んだものの雪と強風でリタイアした立山(雄山)にリベンジした。
8月お盆までの平日で宿探し。標高2450mの室堂周辺のホテル、山荘はやはり全て満室。立山駅周辺の宿に片っ端から電話する。運よく「今、一部屋キャンセルが出ました。」という宿に、すぐ予約した。
宿の人から室堂へ行くケーブルカー&バスの予約をした方が良いとアドバイスをもらった。前回は窓口でチケット購入して乗った、と思いつつホームページで確認する。予約していないと予定の便に乗れないことがあると書いてある。チケット発券はQRコードでとあるので、苦手なスマホで予約しクレジットで決済した。
なんとか始発便が予約できてホッとしたが、スマホにメンバー全員分の発券予約決済のQRコードが入ったメールがあると思うと、何かの拍子に削除してしまわないかと毎日確認する。スマホ世代はこんな心配はしないと思うが、かなりのストレスだ。(笑)
下山後のために富山駅周辺のビジネスホテルを探した。ビジネスホテルは平日だと取り難いが、なんとか確保できた。もちろん、ネット予約だ。
登山前日、宿にチェックイン後すぐにケーブルカーの駅に行き、前日でもチケットの発券ができると言われたのですぐに紙のチケットを発券した。これだけのことだが、登山よりも大仕事をこなした気分だ。(笑)
前日の大雨が止み、絶好の登山日和。宿に登山用具以外の荷物と車を預けて始発に間に合うようにケーブルカーの駅へ行った。予想通りの行列だ。列に並んでいるとオジサン二人組に話しかけられた。「始発チケットですね~僕ら1時間半並んでやっと次発が取れました。どうしたんですか?」と聞かれたので「ネット予約して昨日、あそこの発券機で発券しておきました。」と答えると、「やっぱり、ネットなんだぁ~」と私よりは若いオジサン達。
昨秋に比べると、青空に映える立山がくっきり、雪のない景色はそれなりに気持ちを煽られる。そして、人が多い! こんなに登山する人がいる。
雪山ではないから歩きやすいかなと思っていたが、岩場で歩き難い。道が細いし、人が多い。慎重に歩く。おまけに今年の酷暑で、登っても、登っても涼しくない。山頂は冷えると予想し、カッパに加えて薄手のダウンも持参したが、運よく出番はなかった。
雄山山頂に到着と思ったが、山頂は鳥居を潜った立山頂上雄山神社になるとのこと。鳥居で700円払いお札を受け取り足場の悪い石段を登って山頂に。拝殿の前で全員座ってお祓いを受け、神主さんの号令のもと山々に向かって万歳三唱した。その後山頂の標識の傍で記念撮影。「次が閊(つか)えていますから気を付けて早く下りてください。」と神主さんに急き立てられて下山。山頂でお祓いしてもらったから、今までの悪行は消えただろうか。(笑)
次に大汝山に行く予定だったが、人が多くて思うように下山できそうにないので昼食を摂ってすぐに下山した。足元が悪い、下山時は皆慎重になる。転ぶ人も多い。列がつながり何度も立ち止まる。おかげで周りの景色を堪能できたし、花も楽しめた。山の上からみくりが池に立山が映りこんでいるのが見えたことには感動した。
下山後、すぐに富山駅近くのビジネスホテルに向かった。ホテルの受付カウンターの前には機械がドーンと2台あった。宿泊客が次々にカードをタッチしてチェックインする。ホテルのメンバーズカードを持っていない私達は対面でのチェックインとなる。対面でチェックインする人が少ないらしい。カウンターの人数は少ない。しばらく待って無事チェックイン。
翌朝、チェックアウトは各部屋のカードキーで例の機械にタッチして完了。「機械音痴だし面倒だから曽野さんにお任せする。」と言い、メンバーは椅子に座りこんでコーヒータイム。1枚ずつチェックアウト処理をするのが面倒なのでまとめて処理したいとお願いするとちょっと待たされたが、対応してくれた。でも、領収書が手書きになるので少し待ってほしいと言われた。全て機械任せなのでイレギュラーな領収書は手間取るらしい。
スマホ決済やスーパーのセルフレジに慣れたつもりでも、思っている以上にデジタル化が進んでいる。個人で遊びに行くのはネットでの下調べがとっても重要だ。なにをするにも昭和世代には簡単じゃない。でも、諦めたら行きたい所に出かけられない。最終的には誰にでも聞くというオバサン力がある。これからもデジタル化に悩まされながらも出かけよう。