論 考

金トラ・金トラ・金トラ!

 北朝鮮に対してアメリカが、もし先制攻撃すれば国際的非難を浴びるだろう。

 なによりも北朝鮮の報復を考える。

 韓国には米軍とその家族など合わせて20万人程度。38度線の板門店から首都ソウルは50kmの位置にあり、韓国全人口の1/4・1000万人が暮らしている。単純にいえば人質みたいなものである。

 だから常識的には、アメリカが先制攻撃する可能性はほとんどない。

 とすると、制裁を続けつつ、外交と対話をするという文脈なのだが、制裁の掛け声が威勢よろしいのに比較して、外交・対話をどのように進めようとしているのか、報道では全然わからない。

 トランプ氏は、以前、核兵器について「使わないものを持っていても意味がないから、必要があれば使う」という物騒な発言をしたが、使ってはならないものを持ち、そのご威光を世界に認めさせてきたのは、他ならぬトランプ氏の国である。

 まさに使わない核兵器(の脅威)がブーメランのごとくに帰ってきた。

 立派に! 成長した教え子に対して、「もう教えることはない」というのか、心得違いを諄々と諭せるのか。

 力による平和というものが虚構だという教訓を、わたしは再確認する。

 なんとかに刃物というが、金氏は危険、トランプ氏はテラー(terror)だ。