論 考

教団の目的は布教か?

 本日の社説は次のごとく、「教団の解散命令 救済と解明はこれからだ」(朝日)、「旧統一教会問題 反社会的な活動は許されない」(読売)、「旧統一教会の解散請求 被害の救済はこれからだ」。すべて旧統一教会に対する解散命令請求を論じている。

 すでにおこなわれている被害者と教団の集団交渉は遅々として進まない。解散命令が出されても、教会側は裁判で対抗するだろうから、相当の長期化が予想される。教団へのダメージは弱い。

 国による審理の情報開示がなされず、反社会的活動が問題になっているのに、社会的に十分な世論形成ができない。自民党議員が多数関わっているから、幕引きを急いだという指摘はうがちではない。

 宗教活動に資金が必要だから信者から献金を募るというのは一般論である。旧統一教会は、目的が布教なのか? いくつでも疑問符がつく。本当の目的は資金集めにあり、いったい資金をなにに使ったのか?

 これが本問題の核心である。宗教を隠れ蓑として怪しい政治的活動をおこなったり、幹部連の結構な生活のために使われるのであれば、宗教活動の行き過ぎとしての反社会的活動ではなく、れっきとした詐偽団体である。

 問題はほとんど解明されていない。解散命令が出されても一挙解決にはならない。世間の関心が薄れないようにしなければならない。