論 考

なにをかいわんや

 北朝鮮が6回目の核実験をやった。

 ありがたくもわが政府は国民の安全を守るとマナジリ決しているが、なにしろ主体的に事態解決する手立てを持ち合わせないから、わたしには虚ろに響く。

 要は、アメリカの対応だ。理屈をいえば、朝鮮戦争を本気で終わらせて、米朝平和条約締結への行程を打ち出せるかどうか。

 北朝鮮がICBMと核兵器を放棄しなければ対話に応じない、というアメリカの構えであれば、この状態が継続するだけだ。

 もちろん、経済制裁の効果が出ていないわけはないから、あまり騒動せずに淡々と経済制裁を継続する手もある。

 ただし、それが本当に突き当たりまでいっても、北朝鮮が「降参」するという可能性は低い。なんとなれば、それは現体制崩壊と等しいからだ。

 そうなればおそらくヤケクソで暴発する危惧が強い。

 元副大統領のモンデール氏は「狂った大統領。恐れるべきだ、なぜ恐れないか!」と痛烈な言葉を吐いた。核のボタンはトランプ氏が握っている。

 軍人出身の国防長官マティス氏が「戦争は悲劇をもたらすだけだ」と賢明な発言をしている。本来、シビリアン・コントロールされるべき軍人がシビリアン・コントロールの親玉を掣肘している。