論 考

不誠実だから不人気

 朝日新聞の世論調査によると、岸田内閣支持率33%、先月より4%下降。不支持率は54%、先月より4%上昇した。とにかく人気が出ない。

 聞く耳を持っていると自己宣伝したにもかかわらず、まるで聞く気配がない。この事実が人々に浸透してきた。

 昨日は、東電幹部と会談して、次のような話をしたそうだ。

 ――(処理水放出については)最大限の緊張感を持ち、長期間を見通して、内外の信頼を裏切らないとの決意と覚悟を、政府、東電、それぞれがしっかり持って全力を尽くしていかねばならない。――

 中身がない。こういう内容をなんどでも平然と繰り返すのだから、誰でもコケにするなと言いたくなる。

 IEAEが海洋放出を承認したと報じられたが、IAEAは、原子力規制員会による海洋放出のプロセス認可が、IAEAの安全基準に整合しているかの調査をしたのであって、処理水の海洋放出が安全だと言ったのではない。

 なおかつ、IAEAはすべてのステークホルダーとの協議をすべしと表明している。周辺国の了解が必要と言っている。

 太平洋島しょ国の太平洋フォーラムは、6月26日に反対表明をした。

 わがメディアがこのような事実を報道していないという問題も大きいが、岸田氏の言葉が不誠実だから、人々の不信感につながっている。