論 考

夏休みの思い出

 学校時代の夏休みの記憶が不鮮明である。高校時代は軟式庭球の練習に打ち込んだが、中身はほとんど記憶がない。

 1970年代半ば組合役員時代に、10日間の夏休みをつくった。まだ、クーラーがすべての職場に行き渡っていない。現場の大きな扇風機は、景気はよいが涼しくはない。能率も落ちるから休もうと労使意見合意して実現した。

 新聞が取材に来たが、まだ世間的には珍しかった。好評なので2年か3年続けている間に、世間でも連休がもたれるようになった。

 と、今度は「夏休みの間に出勤日を設けてほしい」という珍妙な意見が出た。理由を聞いてみると、いちばんは、子どもの夏休みに付き合うのでくたびれる。会社には少なくともクーラーがあって、自宅より涼しい。ご近所から、クビになったんですかと聞かれる――など、大笑いした。

 それでも、現在のような強熱気温ではなかった。わたしは仲間と相談して、六甲山ホテルのテニスコートを予約してテニス三昧、木陰でホテルから取り寄せたカレーライスを食べて、ささやかにリゾート気分を味わった。

 そろそろ暑さも峠を越えるかな。