広島市長は、核抑止論は破綻していると主張した。その通りだ。
少し考えれば、核抑止論で脅かしているのは想定敵ではない。かれらもまた核武装し、抑止論を喧伝しているだけだ。仮想敵はびくつかない。
人々が核武装で仮想敵を脅かしていると思うのは典型的な錯覚である。実は、脅かされているのは、核の傘の下にいるから安全だと考える善男善女である。つまり、本当のところ、核兵器の人質になっているのは自分たちなのだ。
プーチンに囚われているナワリヌイ氏は、さすがによく見て考えておられる。
脅かされ、抵抗する意思を奪われているのは私ではなく、みんなだ--と語ったが、核の傘論にもそのまま当てはまる。