論 考

朝鮮戦争休戦協定70年

 米ソ対立を背景として、南北朝鮮では1950年6月25日に軍事衝突が起こり、米国は一時核兵器を使うことまで検討した。

 人家の少ない農村、民間無差別攻撃のB29爆撃機は、横田基地や嘉手納基地から出没した。死者は300万人を超えるという。

 休戦協定が結ばれたのは、1953年7月である。

 戦争終結の手続きがなく休戦協定のままだから、戦争は継続しているというが、実際に戦争は終わっている。

 いかなる力が同民族間の確執を続けさせるのか。

 米・中・ロがいずれも南北統一に反対だという事実がはっきりしている。南北朝鮮は大国にとって、自分たちの国の安全を担保するための緩衝地帯になっているからだ。

 大国のエゴイズムが、いつも世界を混乱させる。その見本が南北朝鮮だ。