論 考

コケにされる民衆!

 旧帝国陸軍と海軍の間でも、たとえば航空機資材を横取りし合ったり、お互いに盗んだり盗まれたり、とくに15年戦争後半になるとみっともない状態が日常茶飯事だった。国体様のご注意があっても誰も聞かない。

 愛国心など言葉だけだろう。プリゴジンのクーデターごっこも、似たようなものだった。

 つまり、こういうことだ。戦争で商売する奴がいる。政治を戦争にする奴がいる。そのキーワードは、権力と金力に集約される。

 しかも実際に殺し合うのは、それぞれの国の民衆だ。

 つまり、権力と金力の追求の果ては、民衆自身の精神と肉体の収奪である。防衛費を増やせば生活と安全を守ってくださるという考えは、決定的に非論理的なばかりか、自分を人身御供に差し出すようなものだ。まことに物騒。