論 考

ずっこけ漫画

 ロシアのクーデターもどきは、どうもよくわからない。

 プリゴジンが、いかに戦場で成果を上げたとしても、プーチンは利用できるものを利用するだけだ。保安部や軍部は、プーチンの権力掌握とまったく一体だから、プリゴジンと軍部の対立で、プーチンがプリゴジンを選ぶとは思いにくい。プーチンにすれば、それはまさに身を切ることになるからだ。

 プリゴジンにしても、そんなことは百も承知のはずだ。クーデターもどきで、プーチンが自分を支持するわけはない。

 にもかかわらずクーデターを起こそうとしたのは、抗議のためだというが、プーチンの力は、鉄の規律にある。その程度はわかりそうなものだ。

 人々がワグネルを支持しているという報道もあるが、クーデターともなれば、命がけだ。人々の支持が、クーデター支持とまではいくまい。

 奇妙な国には奇妙な人物が登場する。かくして奇妙な事件が起こる。

 プーチン支配に乗裂発生という段階ではないみたいだ。ひょっとると、プリゴジンは戦争することに飽きたのか?