論 考

輝きを失った大国

 ブリンケン氏が訪中して、秦剛氏、王毅氏、習近平氏と会談した。緊張緩和に向けて、できることはなんでもやるのは賛成。

 今回は、率直で中身が濃く、建設的であったという表現から、とくに秦剛氏との7時間の会談では相当厳しいやりとりをしただろう。

 少なくとも歩み寄ったが、大統領選挙を控えたバイデン氏がさらに緊張緩和に向けて動くかどうか。議会は強硬論が強いし、素直に期待をかけられない。

 とくに米国が自国のルールを押し付ける悪習慣を改めないとデリスキングへは歩めない。米国のゴリ押し体質はグローバルサウスなどが、もっとも嫌っていることだ。これを改めない米国外交は評価できない。

 米中いずれにしても、なるほど目下の世界2大国ではあるが、自分が覇権を握ろうとするかぎり、大国の輝きを失う。

 お互いに輝きたかったから、力の誇示と、不信感のぶつけ合いを止めるしかない。