論 考

とんだポルノ批判

 BBCによると、フロリダ州で小学校6年生の授業に、ミケランジェロの『ダビデ像』の写真を見せたところ、親の一部にポルノ的だと苦情が出て、校長が辞任する騒ぎになった。

 そのニュースがイタリア・フィレンツェに伝わり、アカデミア美術館長が驚いた。館長がフロリダ州の学校の教師や生徒を招待すると語った。

 ルネサンスの最高傑作ともいうべき芸術をポルノ扱いするとはなんだ! という気持ちはよくわかる。

 しかし、いかなる芸術にせよ、「鑑賞者」には、それなりの自由な見識が許される。

 ポルノというのは、もともと娼婦を意味するフランス語だそうだ。芸術作品であれば性的興味をそそらないとは限らない。芸術が分からない奴めと切って捨てるわけにもいかない。

 芸術論争に発展するのかどうかわからないが、お澄ましして芸術作品を愛でいると、突然予想外の批判が登場したという事実。

 ついでながら、性的興味をそそる自体がよろしくないのだろうか?