論 考

権力目的の汚い末路

 ロシアはバフムートへ、戦争商人プリゴジンによる囚人4万人投入したらしいが、戦果は上がっていない。

 プリゴジンは弾をよこせと絶叫しているが、届かない。いや、軍部エリートによって意図的に拒絶されている気配が強い。

 プリゴジンの刑務所での兵士募集も2月から停止させられた。

 軍部エリートがプリゴジンの政治的意図と、台頭を嫌って、結束して対抗しているという見方は否定できない。プリゴジンは、軍部官僚制に横槍を入れて反撃を食らっているわけだ。

 プーチンはどうかというと、自分に手もみする人間はどんどん使うが、不都合がおきると簡単に切って捨てる。そうでなければ独裁制は構築できない。

 ロシアの政治は、権力支配が目的で、権力維持が官僚制の骨の髄まで染み渡っている。これは、スターリン(1879~1953)の置き土産だ。

 官僚タイプの政治支配だけが生業の人間には、スターリン的政治は非常に相性がよろしい。

 つまり、(権力×官僚制)が生存競争の渦中におかれると、弱肉強食が唯一絶対の価値基準になる。

 最前線の兵士の苦境などは知ったことではない。ウクライナ戦争はプーチン以下の支配層にとって、生存競争の色合いが強く出てきた。