論 考

職業倫理

 米コロラド州の判事が、2020年大統領選挙後、トランプ氏の「選挙が盗まれた」発言に同調して発言をしていた弁護士ジェナ・エリス氏を厳しく懲戒した。

 弁護士が政治的発言をするのは自由だが、デマや嘘と知りつつ発言するのは悪い。弁護士の職業倫理に反する言説だとする。

 職業倫理で有名なのは、「ヒポクラテス(前460頃~前375頃)の誓い」である。ヒポクラテスは当時の医術を集大成して、医学の祖とされる。

 「誓い」は医師の職業倫理を述べたもので、医師のモラルの最高の指針とされる。『古い医学』(岩波文庫)にある。

 職業倫理といえばなにやら高度な専門職の専売みたいでもあるが、そうではない。すべての職業者は職業倫理を弁えておきたい。

 たとえば勤め人社会では、説明責任がしばしば指摘される。それが自身の倫理観から追い求めているなら上等だが、現実は、外部から言われている感じだ。

 他人事ではない。自分が自分について職業倫理という切り口で考えたことがあったか。どうも正面切って考えたことはない。自説のlabor、work、actionをさらに追求してみよう。

 政治(家)レベルで職業倫理を考えるだけでは有益な発見がない。子どもさんたちも倫理道徳の時間は退屈らしい。要するに他人事なのだ。本日は、新しい勉強のテーマにぶつかった。