論 考

昔も今も

 あす3月11日で、WTOが2020年にパンデミック宣言をして丸3年になる。世界全体では感染7.6億人、死亡687万人。日本では、感染3.3千万人、死亡7.3万人である。世界では10%、わが国では27%が感染した。

 マスク着用は、すべての人々の関心だろうが、報道される中身にまったく科学的知見らしきものがうかがえず、これも、わが国の先進的科学水準の低さを示しているみたいだ。もちろん、ワクチン、治療薬ではさっぱり振るわなかった。

 ちゃらんぽらんの岸田氏に、氏が公約してやらなかったコロナ感染と対策の検証総括を、改めて期待しても無意味だが、やはり、この課題は丁寧に実行しておきたい。

 話が飛ぶが、いまの日本経済の活力低下を時系列的に考えてみると、経済大国として浮かれ切っていた1980年代に辿り着く。

 明治近代化以来、追い付き追い越せ論でやってきて、一応追い付いたかに見えた時点で、アヒルが水かきをサボって、下流に流され始めた。1990年代のバブル崩壊後はいわゆる対症療法に追われて、中長期的経済活力のためのソフトのエネルギー蓄積ができなかった。

 いま、大企業は大きな内部留保を抱えているが、江戸時代の金貸しに酷似している。金は持っていたが投資する才覚がなかった。

 コロナのマスクを相変わらずマナー論で語る風潮を見ていると、なにやら200年以上昔もこんな雰囲気じゃなかったのかと思う。