論 考

王毅氏とプーチンの会談

 王毅氏がプーチンと会談した。なにが話されたか。詳しく知りたいが、まだよくわからない。

 わからないがほぼ想像できる。両者ともに中ロ関係を持ち上げるが、中国の理屈は中露関係であって、ウクライナ問題の支持はしない。

 プーチンは低姿勢、揉み手だったろう。中ロ一蓮托生にされるような言質を取られる中国外交ではない。

 きわめて率直にいえば、ロシアは敵の敵であるから中国の味方であるが、国際的に孤立しているロシアを全面的バックアップするリスクは担わない。

 プーチンにすれば同志がほしいが、中国は二国間関係において友好を推進するのであって、国際的悪玉ロシアを支持するのではない。

 王毅氏は、危機はチャンスでもある。危機に対して自発的、積極的な変化を起こすことがチャンスをものすることだという趣旨の話をしたらしい。これは、ウクライナ戦争の解決を遠回しに示唆したとも考えられる。

 プーチンが最後まで丁重な態度を崩さなかったのは、ロシアにとって中国の壁が高いことを意味する。

 あえていえば、ウクライナ戦争が続いても中国は困らない。米国中心に、中ロ一蓮托生に扱われているのは不愉快だろう。これは米国側の失敗外交だ。ロシア問題とセットで中国の弱体化、国際的孤立を図りたいからだ。

 しかし、本当にウクライナ戦争を止めさせるためには、米国は中国と連携するべきである。