論 考

誰も動かないのか

 プーチン年次教書演説に少しでも変化の兆しがあるかと注目していたが、どうも手がかりがない。

 戦争を始めたのは西側で、それを終わらせるために武力行使をしているというのは、いかにも強引すぎる理屈で、客観的評価には耐えない。

 戦争の具体的状況に一切触れなかったのは、国内的な不都合もあるし、今後の方針を読み取られないためだともいえる。

 戦争についてまったく後悔や反省らしき言葉はない。当然、出口を探している気配もない。

 一方で、バイデン氏の演説も、戦争の終息という面からは、取りつく島がない。

 いったい、どうするつもりなのか、このままでは、いずれかがギブアップするまで続けることになる。相手が悪いと大声疾呼しても解決しない。

 現実にプーチンは西側を非難しているのだから、西側がプーチンと問題解決のための努力をするべきだ。

 ウクライナの人々の境遇を考えると、まずは停戦工作を始めるのが人間としての道である。