論 考

米国の本音がわからない

 バイデン氏が20日にキーウを訪問した。すでに293億ドル支援しているが、さらに5億ドルの軍事支援を約束した。

 ブリンケン氏と王毅氏が会談した。ブリンケン氏は、中国がロシアに武器援助する動きありとして牽制した。中国はそんな動きはまったくないと反論。

 米国の本音がわからないのは、ウクライナ戦争を止めさせるには、中国の動向がきわめて重要だと思われるのに、つねにロシア側へ追いやる発言が多い。

 停戦させるために、同志として呼びかけるのと、お前はロシアを支援する気だろうと不信感をぶつけるのと、いずれが上策かわからないわけがなかろう。

 中国は誇り高い国である。恫喝や圧力に対しては、意地でも同意しない。米国はそれも十分知っているはずだ。

 とすれば、米国はウクライナ戦争を止める本気がないと勘繰られても仕方がない。

 だから、グローバルサウスと呼ばれる国々は、ロシアの侵略を非難しても制裁には加わらない。彼らは、強国が国際法を無視しているのを怒っている。

 日本の報道は、全面的に西側(米国)追従のタッチだから、世界の全体意見が反映されていない。これでは岸田氏が軽挙妄動だと批判しても、なにが本当の問題かが人々にわからない。