論 考

どうなっている? コロナ対策

 朝日新聞が米国のファウチ博士インタビューを掲載した。コロナ感染で、アメリカの場合、ワクチン接種が進んでいないことを危惧している。

 バイデン氏が大統領に就任して一気呵成にワクチン接種を推進したのだが、いまは昔である。1日の死者が400人に及ぶことも危機感を示した。

 日本のコロナ感染状況についての質問には、詳しくないのでコメントできないと応じた。科学者らしい真摯な態度であるが、日本の事情に詳しくないというのはどうも意味が違うように思う。

 実は、日本の対策当局がなにをやっているのか見えないということだろう。

 ファウチ氏の持論は、科学は時々刻々変化するので、それをできるだけ人々に正確に伝えるという主義である。

 日本のコロナ対策は、ワクチン接種も一時期ほどの勢いがないし、専門家からの知見らしきものも聞こえない。まさに、現状がどうなっているのか、国民諸氏もよくわからないだろう。

 昨年までは世間もやかましい感じだったが、この間は静かなものだ。世間の関心が薄いと思えば、さっそく手を抜くのが岸田流なんだろう。

 しかし、日本の感染者累積数は着々増加しており、死亡も1日200人を超えている。世界感染者ランキングでは、アメリカ・インド・フランス・ドイツ・ブラジル・韓国に次いで7番目だが、そろそろ日本が韓国を追い抜いて6番目になりそうだ。

 経済も大事だが、経済を大事にするからコロナ対策の手抜きをするという理屈は成り立たない。このへんで、きっちり現状分析と対策の再構築をやるべきである。やる気はあるのか。