論 考

政治加齢学?

 11月20日、バイデン氏が80歳になった。

 目下、アメリカ大統領選挙の様相は、バイデン氏対トランプ氏になりそうな気配である。

 バイデン氏が当選して任期を全うすれば86歳で、史上最高齢になる。同様トランプ氏であれば任期を終えれば82歳である。

 とにかく、このまま進めば老老決戦である。

 高齢問題が、ここへきて大統領選挙の1つの大きな関心になっている。

 政治的センスで考えれば、身体壮健、まさに人間盛りの人が政治的センスゼロなんてのが多いわけだから、それが高年齢の問題と直結しない。

 つまり、身体年齢と機能年齢は異なる。

 そうではあるが、80歳超ともなれば社会通念としては、激務(であろう)大統領職だから、突然プッツンしないとも限らない。心配するのは無理もない。

 もう1つの視点は、働き盛りの政治家がたくさんおられるのに、2人を乗り越えるのがいないのかという疑問だ。

 アメリカは、年金受給資格が得られると、働く人が定年までいかず早期退職する気風だった。第二次世界大戦中は、航空機生産の労働力が大不足して、リタイヤした人々に復帰してもらった。

 その方々が大活躍して、アメリカは従来の高齢者=生産性低下という枠組みに疑問をもち、戦後、加齢学(ageing)が発達した。それが身体年齢と機能年齢は違うという認識であり、年齢差別撤廃法が成立した背景である。

 今後、アメリカではPolitical Ageingという学問が生まれるかもしれないなあ。