論 考

考える・わからない・考えない

 エジプトのシャルムエルシェイクでの2週間続いたCOP27が閉幕した。災害がもたらす損失と被害への支援基金が全会一致で決まったことは、大きな成果である。ようやく、先進国と途上国の共通の土俵ができたといえる。よく考えて、衆知結集したというべきだろう。

 なにを考えているのかわからないのが、マスク氏で、トランプ氏のアカウント復活がいったい民主主義に有益なのかどうか。従業員はこの調子だと最終的には7,500人だったものが2,000人くらいしか残らないのではないかと予測されている。

 頭と行動力は格別だが、やることは乱暴だ。創造する前の破壊を徹底的にやっているとして、ではどんな創造を狙っているのか。そこがわからない。彼は、どうやら民主主義のちんたらもたもたするのが気に入らないらしい。そして、もう1つ、衰退的気風にあるアメリカを揺さぶろうとするのかもしれないが。

 なにも考えていないらしいのが岸田さんだ。戦前の内閣は、各大臣が独立していて、首相は調整役で、大臣の任免権を持たなかった。

 現憲法では、首相権限はきわめて強い。閣僚が首相の方針に沿った活動をしなければ、即刻クビにできる。10月からの1か月足らずに、3閣僚を更迭したが、まるで戦前並みの本人の裁量に任せて、党内でも批判が噴出して動きが取れなくなるや、ようやく行動する。

 破壊もしないが創造もしない。なにもしない。つまり、なにもお考えではないという評価になってしまう。おそらく先は長くはあるまい。