論 考

北朝鮮と同質の愚を克服せよ

 北朝鮮の飛翔体発射は、米韓軍合同演習の挑発に対する抗議の意思表示だという。日韓米は北朝鮮の挑発だとして、メディアは日韓米の連携強化を主張する。

 いずれ側も相手が徴発していると非難する。

 韓米合同演習は北朝鮮を対象としたものだから、北朝鮮がそれに応じて反応したのは、理屈上演習の成果である。

 韓米としては、合同演習を北朝鮮が脅威に感じておとなしくなると考えているのだろうか。もし、北朝鮮が沈黙を守れば、見かけ上は脅威を感じさせたとして大成功なんだろうか。

 いままでの経験からわかるのは、軍事演習は、自分たちを守るという建前だが、敵視されている側はそうは受け止めない。

 そこで、目には目を、歯には歯をという、挑発合戦が進む。

 日本の新聞が主張するように、日韓米が連携してなにをするのか。北朝鮮の挑発だとして、それを抑え込むために有効な方法があるのか。要するに、暗黙のうちに「やり返せ」と主張しているのと等しい。

 本当に北朝鮮の挑発がけしからんのであれば、こちら側が、それと同じ恫喝をくり返すのは愚の骨頂で、危険事態を拡大深化させるだけである。

 そこで、日韓米が考える戦略としては、目には目薬、歯には歯ブラシという心構えが上等な解決視点である。

 当局者には、ぜひ、ご一考願いたいものだ。