論 考

停戦への行動を求める

ロシアが、ウクライナからの穀物輸出再開合意への参加を停止するとか、ノルドストリームの海底パイプライン破壊がイギリスの仕業であるなど相次いで発表している。

 前者は、穀物輸出の警備をする黒海艦隊がウクライナの無人機攻撃を受けたとするが、真偽不明だ。後者も同様だ。

 西側報道も、主体的戦争報道になっているから、すべて信用できない。そのため、われわれはウクライナ戦争の真実なるものには手が届かない。

 1つだけつねに念頭に置くべきは、なにがなんでもロシア(プーチンだけではない)を決定的に追い込むことが賢明かどうかである。

 核兵器を使うことは、全ロシアの戦場化のリスクがあるから、プーチンも容易に決断できない。一方、ウクライナ側も、支援武器があろうとも戦闘意欲だけで戦い続けられない。

 やはり、アメリカが中国と息を合わせて停戦の段取りを進めるのが、もっとも意味があると思う。

 世界も、アメリカ国内もずいぶん不穏・不安定な雰囲気である。ウクライナ戦争が世界に与えた影響は、精神的物質的に異常な大きさである。プーチンがすべて悪いと決め付けても動かない。

 少なくとも停戦への動きが戦闘拡大へはつながらない。バイデン氏とアメリカが本当に世界秩序の安寧を考えているのならば、停戦の段取りへぜひ踏み出してもらいたい。