論 考

米国中間選挙近づく

 中間選挙を14日後に控えた27日、バイデン氏がCNNに寄稿した。

 経済政策の柱が、ボトムアップ(貧困層支援による下支え)とミドルアウト(中間層支援による購買活性化)だとして、失業率は50年ぶりの3.5%、新規雇用を1,000万人創造すると主張する。

 家計費引き下げを推進するとして、医療保険・石油備蓄の放出を強調する。とくに、医療保険について、共和党・大手製薬会社の反対を批判し、トランプ氏のMAGA(アメリカを再び偉大に)に基づく減税は、膨大な財政赤字を生むし、富裕層と大企業が喜ぶだけだと切り捨てた。

 とくに、それは富める者のおこぼれをいただくトリクルダウンだと切り込んだ。学生ローンの負担軽減実施を強調し、人工中絶禁止に明確に反対する。日本の野党よりも明快である。

 締めくくりは、「共和党はあなた方の父親時代の共和党ではない」と突っ込んで、中間選挙は民主主義の真価を問われる。民主主義に保証はない。同時時代を生きる1人ひとりが選び続けるものだとした。

 この論文から見るかぎり、クリントン大統領(在1993~2001)が、民主党の路線をリベラルから中道へ寄せたのとは反対に、明確にリベラル路線を強調したように見える。バイデン氏の主張がどの程度の説得力を持つか。