論 考

逃げ得にさせてはならず

 ようやく国会審議が始まったが、岸田氏は脛に傷持つ質問についてはまともに答えない。野党がスキャンダルばかり追及して、大事な課題に取り組まないという批判が起こるのを待つ作戦だ。

 順番からすれば、スキャンダルを起こすのが問題であって、それの処理がうやむやではまずいから野党は質問する。しかし、答えない。質問がくり返される。野党はスキャンダルばかり追及するという批判が起きるというパターンである。

 実のところ、野党もスキャンダルでとっちめたところで手柄にはならない。もともとボロが出ているからだ。しかし、放置するわけにはいかない。社会的に大きな問題化しているから尚更だ。

 本来であれば、ここは議長の出番である。議長が、「答弁になっていない」と指摘すればよろしい。ところが、議長が脛傷だから、なんともならない。

 そこで議運の出番というわけだが、わるくいえば談合みたいなものだから、やはり、社会的関心の高い問題については、時間がかかっても、本会議での議論をやるしかない。

 議会がお粗末なのだ。ただし、問題は追及する野党にあるのではなく、追及される方にあることを忘れないようにすべし。