論 考

政治は危険なものである!

 国際関係(に限らないが)なんてものは、いずれの立場でものごとを考えるかによって、まったく異なる結論に至る。

 西側と称する国々は、アメリカを軸とする世界秩序が正義だと信じている。

 これは最近著しいのであって、1970年代辺りまでは、西側諸国内部でも、(アメリカが)「世界の警察官」を気取るのはおかしいという痛烈な批判が目立った。

 また、アメリカ的秩序を全面的に容認しているのではなく、とかく大国が好き放題やりかねないという前提において、相対的に善意の! アメリカを容認するというような雰囲気であった。

 しかし、トランプ氏が登場したことによって、西側においてもアメリカ外交に対する不信感は極めて高くなった。

 追い詰められたトランプ氏が、外交に活路を見出そうとして、決定的な冒険主義に踏み出すのではないかという危惧である。

 なにしろ職業政治家は人気商売だから、人気回復のためには悪魔とでも手を握りやすい。まことに、アメリカのみではなく、政治家による政治は危険の一語に尽きる。

 危険を防ぐには、やはり、デモクラシーを成熟させる努力が不可欠だ。