論 考

ウクライナ戦争を止める時期

 ドローン撮影した、ロシアからジョージア国境への長い自動車列は驚異的だ。たしかに長い圧政で声を上げることすら容易でないロシアの人々であるが、「逃げる」という直接行動で、プーチンの戦争に反対する意思表示をしている。

 これはその性質からすれば、1つの民衆革命である。

 戦争責任者は、戦争の方針転換を迫られている。

 大東亜戦争で、すでに決定的に敗色濃くなっているにもかかわらず、戦争責任者らは誰1人方針転換を言い出さなかった。その結果が、広島・長崎への原爆投下を引き出した。

 もし、ポツダム宣言が出された時点で「降参」を決めれば広島・長崎の惨禍は発生しなかった。

 戦争を始めるのは容易だが、止めることはきわめて難しい。

 いまは、ポツダム宣言に相当するものはなにもない。追い詰められたプーチンがなにをするかわからないことは、しばしば指摘した通りである。外電では、ここへきて、核兵器使用の切実性を指摘するものが増えた。

 止めるための水面下の動きがあるのだろうか。窮鼠(ロシア)が猫(NATO)を噛むという駄じゃれを言っている場合ではないが、まさにその流れだ。

 大国の政治家が行動するのはいまを置いて他にはない。