論 考

屈しない精神

 大争点の基地問題は、政府の強硬姿勢からして、ともすれば「基地問題より経済」のかけ声が目立ったが、辺野古基地建設反対の意志を貫く玉城デニー氏が再選された。

 投票率57.92%(先回より5.32%下がった)、玉城339,767票・佐喜眞274,844票・下地53,677票で、玉城氏は佐喜眞氏に6万票超の差をつけた。

 基地反対のオール沖縄の力量低下が指摘されていたが、踏ん張った。いかに展望が開かなくても、簡単に屈してたまるかという気迫が示された。

 ルソー(1712~1773)は、「人間の自由というものは、欲しないことは決して行わないことだ」と主張した。イエ―リング(1818~1892)は、「世界中のすべてのリヒト(権利)は闘い取られたものである」と喝破し、さらに、「不法をなすなかれ、不法に屈するなかれ」と激励の言葉を残した。

 沖縄の人々が民主主義の精神を踏まえて闘っていることに共感し低頭する。