論 考

補正予算が筋道

 政府は物価対策で、住民税非課税世帯の1600万世帯に5万円支給、ガソリン価格維持のための補助金を年末まで延長、輸入小麦売渡価格据え置き、飼料価格高騰分補填、地方創生臨時交付金などを打ち出した。

 いずれも予備費からの支出である。予備費は額が小さいというのが常識だが、総額3兆円に及ぶ。本来補正予算を組むのが当然だが、議会審議を嫌うから、予備費という形でおこなう。

 政府の借金が1千兆円という事情であるから、問題がどんどん後回しされる。人々は目に見える政策を期待するが、結局バラマキである。予算は、議会論議の最大の議題である。議会論議をせず、政府・与党がすべて仕切るというのは、非常にまずい。

 予備費執行に依拠する政治は改めねばならない。旧名称統一教会問題も大問題だが、予算を政府与党が気楽に執行する体質は民主主義ではない。