論 考

岸田氏の欠陥はポリシーである

 今朝の読売社説は「首相記者会見 政策遂行し着実に成果出せ」と題して、政策決定は十分に検討せよ、明確な戦略を立てよと、抑え目ながらも岸田氏に注文をつけた。

 記者会見で岸田氏は、「政治に対する国民の信頼が揺らいでいるので私が先頭に立って、政治への信頼回復に取り組まなければならない」と語った。そして、「初心に帰る」と語るのだが、時間的には帰らねばならぬほど、初心から時間が過ぎていない。

 読売社説が抑え目の感があるのは、政策決定のプロセスもさることながら、実はコンセプトが定まっていないからである。たぶん、読売社説子は、「しっかりしたポリシーを持て」と書きたかっただろう。

 逆に言えば、岸田氏は首相としてのポリシーが見られない。

 新聞各紙は、自民党が参議院選挙に勝利して、黄金の3年間のスタートと書いたばかりである。わたしは、「前途多難岸田内閣」について月刊ライフビジョンに書いたが、岸田氏の発言を注意してみると、いわゆる「骨」がない。

 はっきりしているのは、ポリシーなき人がリーダーシップを揮おうとしても、これは理屈抜きに難しい。

 閉会中審査に出席して答弁するらしいが、果たしていまの流れを止めるだけの秘策があろうか。